強がり女の唯一の男
ガチャ
主不在の部屋だと思ってノックもせずに部屋のドアを開けると、ランニングとハーフパンツの公平が驚いた表情でこちらを見た。
「あ・・・居たんだ?」
「小雪!? お前!何してんだよ!?」
「公平に会いたくて・・・」
「はぁ? つ~か、何時だと思ってんだよ?」
「10時半」
もちろん夜の。
「一人でここまで来たのかよ? あっぶねーだろ!!」
「・・・残業でこの時間帯に帰る時もあるから大丈夫だって」
「なんかあってからじゃ遅いだろ!?」
「うん」
「で、バカ男と別れたのか?」
「分かった?」
「だから俺に会いに来たんだろ?」
「え?・・・だからって何で?」
「俺の気持ち知ってて、俺の部屋に来たって事は・・・そういう期待するの間違ってるか?」
意地悪な顔。
安達君と別れて、公平に会い来たってことは・・・。
公平の手を取りたいって事。
「・・・間違ってない」
「は!?」
私の答えを聞いて公平は心底驚いている。
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