強がり女の唯一の男
その時、
「池上小雪さん。　俺と結婚を前提にお付き合いしてください、お願いします。」
急に公平は直角にお辞儀した。
「え！？　結婚！？」
公平はゆっくりと上体を戻して、
「小雪が俺のことを選んでくれるなら、一生手放さないって決めてた」
ハッキリと言い切った公平を男らしい。と胸が高鳴った。
うわっ　公平の顔を見てドキドキするとかあり得ないって思ってたのに！！！
「でも、私、まだ彼氏と別れたばかりだし・・・そんなすぐに・・・節操なしみたいな・・・」
ごにょごにょと言い訳をしている私。
いきなり結婚前提なんてそれは、急すぎだし。
「ああ、大丈夫。　俺は小雪が身持ちが堅いって知ってるし。
・・・経験人数だって2人だけだろ？」
げっ！？　なんで知ってるの！？
私が口をパクパクさせて驚いていると。
「しかも朝帰りとか彼氏と旅行とかってしたことないし？　世間では真面目なお嬢さんで十分通ってるって！」
「なんでそんな事　公平が知ってるのよ！」
「お袋が、小雪んちの小母さんから聞いてきた」
「はぁ！？」
「小雪には彼氏が居るけど、滅多にデートしないとか、最近じゃデート自体してないとか？」
居酒屋で私が話す前から、公平は私と安達君が恋人らしくない付き合いだということを知っていたんだ。
「・・・うん」
「じゃあ、いいじゃん？　もし、入籍前に妊娠してもどっちの子か分からないってこともないんだし」
「妊娠！？」
公平と・・・するってこと！？
えぇぇぇぇぇ！？　想像できないよ！
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