EGOIST
「イカサマ使って子供から金巻き上げようとした人間がんなこといっちゃ駄目でしょう」

そう、男は言ってカラリと笑った。

「おっと、お嬢さんも動くなよ?」

ダンテがディーラーのほうに視線を向けた。
ディーラーの手は机の下に伸びている。
おそらく、そこに裏に控えているであろう黒服を呼び出すスイッチか何かがあるのだろう。
だが、ディーラーの首にもワイヤーのようなものが巻き付いている。

「その綺麗な肌に傷ができるぜ?」

ニンマリと笑ったダンテに、ディーラーは顔をひきつらせた。

「確か、ここのオーナーはイカサマ嫌いだとか。イカサマを見つけた場合、それが男女、貧富、客、ディーラー問わず制裁を加えるとか」

エレンの言葉に、4人はひくり、と体を揺らす。
エレンの今言った話はここに通う客も、従業員もよく知る話だ。
そうして実際に制裁を加えられたものも過去には何人も存在する。

「こちらとしてはことを穏便に済ませたい。大人しくしていただけるのであれば、黙っていましょう」

どうですか、とエレンが視線を4人に向けると、3人は観念したかのように座り、ディーラーも手を引っ込めた。
その様子に、エレンは満足げに笑った。

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