EGOIST
そんなエレンに、ダンテは内心で溜息をつく。
おそらく、彼女はイカサマなど使っていない。
元々運はいい方であるし、何より彼女はいかなる勝負事にも不正を働くことと手を抜くことを嫌う。
おそらく、彼らが4人でイカサマをしていたことには気づいていて勝負を振り、もし勝てなかったとしてもそれをネタにゆするつもりでいたのだ。

エレンを敵に回したくないな、とダンテは心の中でぼやいた。

「あー、くそっ！分かった分かった！俺らの負けだ。何がお望みだ」

茶髪の男が頬杖をついていった。
そんな男の耳元で、エレンが何事かをささやく。
それはダンテにも、他の3人にも聞こえてはいない。
エレンはすぐに男から離れる。
ささやかれた男のほうはエレンを見て数度瞬きを繰り返す。

「そんなもん何に使うってんだ」
「それは企業秘密です。知らない方が、幸せかもしれません。どうでしょう、情報をいただけますか？」
「まぁ、負けは負けだからな。約束は守ろう」
「ありがとうございます。では、このアドレスにお願いします」

そう言い、エレンはメモを1枚男に渡した。

「それでは、私はこれで。自分の身が可愛いなら、もう「弱い者いじめ」は駄目ですよ？」

そう言い、エレンは薄く笑い、チップを持って席を立った。

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