EGOIST
「ギルの事だろ」
「おそらく。ギルが私の弟だと知って驚いた、と言ったところでしょうね」

それにつられて視線を向けたアーロンとエレンが軽い調子でそう言った。
その言葉に、ギルバートの顔が曇る。

「やはり、こんなんじゃ、姉さんの弟には見えませんよね………」

なんてつぶやいたギルバートは俯いてしまった。
そんなギルバートに、エレンとアーロンは顔を見合わせた。
そして、わしゃわしゃとギルバートの頭を撫でた。

「わ、わ、何するんですか!」
「貴方が仕様のないことを気にしているからです」

突然のことに顔を上げたギルバートの額に、エレンがデコピンを食らわせた。

「誰が何と言おうと貴方は私の弟で、アーロンの義弟であることは変わらないでしょう」
「そうだぞ。俺はお前以外の奴が義弟になるなんて絶対に認めん」

エレンは呆れたように溜息をつき、アーロンは腕を組んでフン、と鼻を鳴らす。

「周りを気にするのは貴方の悪い癖です。もっと自分に自信を持つべきです」
「そうだぞ。今回の任務が成功したのだってお前の働きが大きいしな」
「そうなんですか?それは是非お話を聞きたいですね」
「いいぞ。今度の茶会の話題はこれだな」

渦中の本人を置いて2人はどんどん話を進めていく。
そんな2人に、ギルバートは落ち込んでいるのが馬鹿らしくなってきた。

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