EGOIST
「しばらく、連絡できなくなります。できるだけうちにも来ないでください」

そんなメールが届いたのは1週間ほど前の事。
別に、喧嘩をしたとかそういうわけではない。
エレンは詳しいことを話さないが、十中八九、仕事だろう。
こういうことは多くはないが珍しくもない。
寧ろ、これが自分達の在るべき姿だ。

緊急の連絡であればまだしも、夢見が悪かったからなんて理由で連絡ができるわけもない。
それ以前に連絡するには非常識な時間なのだが、そこには目を瞑る。

とりあえず、眠れずともこの何とも言い難い気分をどうにかしようとゆっくり深呼吸を繰り返す。

カーテンの外はまだ暗い。
朝はまだまだ遠そうだ。




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