EGOIST
そんな彼に移植できる心臓が見つかったのは彼が13の時だ。
心臓移植の日取りはすぐに決められた。
ダンテは有無を言わさず病院に入院させられ、移植を行うべくベッドに寝かされ手術室に運ばれ、麻酔を打たれた。
そして目覚めた時に目にしたのは、病室ではなかった。

白一色で統一された、窓すらない部屋。
何が起こったのか分からずにいたエレンのもとに、1人の男が現れた。
白衣を着たその男は、医者のような恰好こそしていたが、その目は狂気を宿していてとてもではない会社には見えなかった。

「おめでとう!君は生まれ変わった!!」

そう、男は高らかに宣言した。

男の話によれば、心臓移植は成功したらしい。
だが、その移植した心臓は健常者のそれではなくアルマの、しかもこの国の歴史の中で最も凶悪と言われたアルマの心臓を移植したのだという。

にわかに信じがたい話だった。
そもそもなぜこの男がそんなものを持っているのかとか、様々な疑問があった。
それを男に問いかけても男は全くダンテの言葉を聞きはしなかった。

そうして「あぁ、そうだ。目覚めたのならさっそく実験をしなければ」などと言い、ダンテを引っ張って広い部屋へと連れて行った。

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