EGOIST
建物から出るとその明るさの違いに少し目が眩む。
しかしそれもすぐに回復し、エレンは一度止めた足を進める。
途中、外で遊んでいた子供達が手を振ってきたので、それに小さく手を振ることで答えつつ、門から外へと出た。

流れる人の波に入る。
その波に乗って歩きながらジャケットのポケットからスマートフォンを取り出す。
電話アプリを立ち上げ、目当ての番号をコール。
数コールの後、それに応じる声がした。

「仕事です。夕食ついでに話しましょう。…………いえ、あちらにはまだ連絡しません。必要かどうか、まだ分かりませんから。……はい、ではまた」

通話を終了させ、スマートフォンをポケットに戻す。
そして、目的の場所へと足を進める。




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