EGOIST
「ダンテが引き込めたらいいんだろうがなぁ」

言いつつ、アーロンはエレンの顔色を伺う。

おそらく、現状でエレンが最も信頼しているのはダンテとイアンだ。
それは本人が最も理解していることだ。

「………そうですね」

エレンが少し間を空け、肯定した。
それにアーロンは驚く。

「…………なんですか」
「いや、肯定するとは思わなかった」

そう素直に答えれば、エレンは「そうですか」と静かに返した。

「引き込めたら…………というのは少し言い方が乱暴ではありますが、彼がいてくれたらと思ったのは事実です。特に今回の事でそう思いました。痒い所に手が届くというか、余計な言葉が必要ないというか。今回は今まで以上に多くの人に手伝っていただきましたが、どうしてもどこかがずれが出てしまっていて。あぁ、あれが普通ではなかったのだと今回は痛いほど思い知らされました」

そう言い、エレンは肩を竦めた。

「彼には、出来る事なら傍らにいてほしいという気持ちがあります。でも、彼にはこのまま、表社会と裏社会を行き来するっていう少し非日常がありながらも、穏やかな日常の中で生きていてほしいという気持ちもあるんです」

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