EGOIST
そもそも自分は妾の子であり、誰からも必要とはされてはいなかった。
そんな人間が、そんな自分勝手な考えを持って生きていていいのか。
本意でなかったとしても自分は最強最悪と言われたアルマの心臓を植え付けられ、その特異な体質のおかげでアルマとならずに済んだが全くの一般人というわけでもない。
そんな人間に、いきたいなどという我儘が許されるのか。
「そんな自分勝手が、許されるわけがない」
そのつぶやきに、灰色の目が数度瞬く。
そして、すっと細められ、口角が上がる。
「なんだ、そんなこと」
目に入ったのは、おとぎ話の中に出てくる不可思議な猫を思わせる笑みで。
これまで一度としてみたことのないそれに、今度はこちらが驚く。
「人なんていつだって自分勝手な生き物です。誰かにやさしくするのも、好きになるのも、嫌いになるのも、何かを信じるのも、何かに従うのも、何かを守るのも、何かをこわすのだって、その人がそうしたいからなんです。結局、人はみんな、ジコチューなんです」
だから自分勝手なんて当たり前で、気にするほどの事じゃないという。
そんな人間が、そんな自分勝手な考えを持って生きていていいのか。
本意でなかったとしても自分は最強最悪と言われたアルマの心臓を植え付けられ、その特異な体質のおかげでアルマとならずに済んだが全くの一般人というわけでもない。
そんな人間に、いきたいなどという我儘が許されるのか。
「そんな自分勝手が、許されるわけがない」
そのつぶやきに、灰色の目が数度瞬く。
そして、すっと細められ、口角が上がる。
「なんだ、そんなこと」
目に入ったのは、おとぎ話の中に出てくる不可思議な猫を思わせる笑みで。
これまで一度としてみたことのないそれに、今度はこちらが驚く。
「人なんていつだって自分勝手な生き物です。誰かにやさしくするのも、好きになるのも、嫌いになるのも、何かを信じるのも、何かに従うのも、何かを守るのも、何かをこわすのだって、その人がそうしたいからなんです。結局、人はみんな、ジコチューなんです」
だから自分勝手なんて当たり前で、気にするほどの事じゃないという。