EGOIST
「イアンの奴に相談料として贈呈しないといけないんだよ」
「相談料?」
「燻ってたところに油を思い切りぶっかけられたともいう」

エレンは意味を掴みかねていたようだったが、すぐに理解したのか、「あー………」と声を漏らした。

「半分払います」
「いや、それは別にいいんだけどさ。癪ではあるが、あいつのおかげで踏み出せたってものあるし」

イアンの分だけを買うのもあれなので、エレンが好きなものを買って帰るというのもいいかもしれないと、ダンテは思う。

「何はともあれだ」

ダンテはエレンを自分から少し放させる。

「これからもよろしく頼むな、ボス」

ダンテの言葉に、エレンはきょとんとする。
しかし、すぐにニンマリと笑みを浮かべた。

「えぇ。こき使いますのでそのつもりでいてください」
「望むところだ」

エレンの言葉に、ダンテはにやりと笑った。

そして、どちらともなく額を合わせ、くつくつと笑い合った。




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