EGOIST
「お疲れ様です」
「いやいや、お前のおかげで大した苦労はしてねぇよ」

親し気に話す2人。
つまるところ、自分達は嵌められたのだ。
いったいいつからだ。

自分達はこの男に追いかけられてからがむしゃらに、めちゃくちゃに走り続けたのだ。
自分達でさえ、自分達がどこへ向かっているのか分からないくらいに。
予測することなど、不可能なはずだ。
だとしたらいったいどうやって―――。

その時、ふと子供と目が合った。
子供の灰色の目が、ちらり、と銀色に光った気がした。
その光はまるで獲物を狙う猛禽類のそれだ。




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