EGOIST
「それと、もしよければ直接お礼を言いたいから、是非教会へ来てほしいと」
その言葉に、女はゆるゆると首を振った。
「私なんかが行っても、迷惑をかけるだけだから」
「そんなことはないですよ。教会とは、多くの人に寄り添うもの。昔は娼婦などを厳しく罰するようなことしていた時代もありましたが、今ではそんな風習はありません。意識がもうろうとしていても誰かが自分を助けてくれた事は覚えているようで、あの子達も貴女にお礼が言いたいと言っているそうですよ」
エレンの言葉に、女の中でわずかな迷いが生じる。
「まぁ、強制力のある物ではないので、気が向けばですが」
そう言い、エレンはケーキを口にする。
そして、女にもよければどうぞと食べるように促す。
促されるまま小さく切ったチーズケーキを口に運ぶ。
口の中に入れたチーズケーキはほろりと口の中で崩れ、優しい甘さが口に広がる。
そして、香りに誘われるように紅茶に口をつけた。
すると、程よい苦みと香りが口に広がった。
それらにほう、と女は息をつく。
「アンジェリカさん、聞いてもいいですか?」
しばし会話はなく互いにケーキと紅茶を楽しんでいたのだが、エレンが静かに切り出した。
その言葉に、女はゆるゆると首を振った。
「私なんかが行っても、迷惑をかけるだけだから」
「そんなことはないですよ。教会とは、多くの人に寄り添うもの。昔は娼婦などを厳しく罰するようなことしていた時代もありましたが、今ではそんな風習はありません。意識がもうろうとしていても誰かが自分を助けてくれた事は覚えているようで、あの子達も貴女にお礼が言いたいと言っているそうですよ」
エレンの言葉に、女の中でわずかな迷いが生じる。
「まぁ、強制力のある物ではないので、気が向けばですが」
そう言い、エレンはケーキを口にする。
そして、女にもよければどうぞと食べるように促す。
促されるまま小さく切ったチーズケーキを口に運ぶ。
口の中に入れたチーズケーキはほろりと口の中で崩れ、優しい甘さが口に広がる。
そして、香りに誘われるように紅茶に口をつけた。
すると、程よい苦みと香りが口に広がった。
それらにほう、と女は息をつく。
「アンジェリカさん、聞いてもいいですか?」
しばし会話はなく互いにケーキと紅茶を楽しんでいたのだが、エレンが静かに切り出した。