EGOIST
「貴女は、どうやってあの子達をあそこへ連れて行ったのですか?見たところ、あの子達は貴女の子供、というわけでもなさそうだ。実は、あの子達が元々いた場所がどこなのか、神父から調べてほしい、と頼まれまして、少し調べてみたんです。そうするとそこは関係者以外が簡単に入れるような場所ではなかったので、少し気になりまして」

話しづらかったら話さなくていい、とエレンは付け加えた。

アンジェリカと呼ばれた女はしばし迷った後、ゆっくりと口を開いた。

「………私の雇い主があの研究所のパトロンなの」

そう、静かに話し始めた。

「少し前に、酷く上機嫌なことがあって。その時、あの研究所に連れていかれたの。私は、頭がよくないからよく分からないけど、あそこでよくないことをしていることをしているのは分かったわ。あの子達がいた部屋も、見たわ。いいえ、あそこは部屋と言っていいのかどうか………鍵もかかっていないところに、無造作に寝かされていたの」

話すアンジェリカの脳裏にはその時の記憶がよみがえる。
虚ろな目をしてぼんやりとしている子供。
白衣を着た研究員がそのうちを引きずるようにどこかへ連れていき、用が済めばまるで放り投げるかのように部屋へ戻していた。

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