EGOIST

3

真っ白な飾り気のない廊下。
そこにはいくつかの鉄製の扉が並ぶ。
そのうちの1つがわずかに開く。

「………誰もいないな。近づいてくる音もなし。そっちはどうだ?」
「行きはおそらく問題ないかと。帰りは、どのくらい騒ぎを起こしてくれるか、でしょうか」
「ま、行きが問題ないなら大丈夫だろ」

と、その時耳に付けていたインカムに通信が入る。

そうして鉄の扉が大きく開き、出てきたのはダンテとエレンである。
出てきたのは単なる資料室。
だが、そこには隠し通路が1つあり、彼らはそこから入ってきたのだ。

『ばっちり映ってるぜお2人さん』

ややくぐもった声はイアンの物だ。
あたりを見れば、すぐ近くに監視カメラがあった。

「そちらはどうですか?」
『バッチリ。ハッキングしてることにも気づかれてないぜ』

エレンの問いにイアンはカラカラと笑った。

「じゃ、時間もないことだしさっさと行きますか」
「はい」

そうして2人は白い廊下を歩きだす。

廊下は長い一本道となっていた。
目的地へも特に苦労もなくたどり着けた。
そうなるようにいくつもある隠し通路の中から最適な1本を選んだのだが。

そうして目的地にたどり着いた。
そこは廊下の一番奥にあった。

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