EGOIST
ダンテは口元を押さえたまま目的の部屋に向かい、扉を開ける。
部屋の中には研究員が2人と実験に浸かれてた子供が1人。

「な、貴様何者だ」
「はいはい騒ぐなよ」

まず一番近くにいた男の鳩尾に一発拳をお見舞いした。
男はうめき声をあげ、床に倒れる。

それを見ていたもう1人の男が慌ててどこかに連絡をしようとしたが、その前にその首根っこを摑まえ、手刀を首に食らわせ昏倒させた。

『お見事』
「インドア沈めたくらいで褒められてもねぇ」

なんて言いながらダンテは台の上に乗せられた子供を確認する。
子供は手足を固定された状態でぐったりしている。
だが、死んではいないようだ。

ダンテは床に倒れている研究員の懐から拘束具の鍵を見つけ出し、外してやる。
そして、そっと抱き上げ、部屋を出た。
廊下は煙こそ晴れたがいまだに研究員たちは眠った状態である。

ダンテは来た道を戻り、隠し通路のある資料室に走りこんだ。
隠し通路に続く扉は開いており、そこには先に来ていたエレンと子供たちがいた。

子供を抱きかかえてきたダンテを見て、あの少年の顔に喜色がにじむ。

「行きましょう。そろそろ、彼らも動き出す時間です」
「だな、巻き込まれるのだけはごめんだ」

そうしてエレンとダンテは子供達を連れ、その場を離れた。




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