EGOIST
「これから私達はいったん協会に向かう予定なんですが、どうなさいますか?」
「行く当てがないってんなら、あそこは喜んで受け入れてくれるはずだぜ」

2人の言葉にアンジェリカは少し悩んだが、1つ頷いた。

「なら、行きましょう」
「んじゃ、ちょいと失礼しますよ」

そういうなりダンテがアンジェリカの膝裏と背中を支え、ひょいと持ち上げた。
所謂お姫様抱っこである。

「え、あ、ちょっ!」
「暴れんなよ。落ちたら相当痛ぇですよ」

ジタバタするアンジェリカに、ダンテがそういうと、アンジェリカは「う」と声を漏らして大人しくなる。

「すみません。近くに車が止めてあるので、そこまで我慢してください。せっかく治療したのに、またはだしで歩くのはよろしくありませんから」

そう言ってエレンは苦笑を浮かべた。
確かに、せっかく治療してくれたのにそれを台無しにするのは心苦しい。
恥ずかしいが、ここは大人しく運ばれるしかない、とアンジェリカは息を1つついた。

そうして3人はいまだ銃声鳴りやまぬ研究所を後にした。




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