EGOIST
2 shots
「ちわーっす」
「あ、イアンだ」
「イアーン！」

協会に顔を出したイアンに、子供達が屯する。

「おー、ガキども。いい子にしてたか？」
「してたよ」
「そういうイアンこそ、寝ずにちゃんと授業受けてきたのかよ」
「失礼な。これでも俺って真面目なのよ？」
「「えー」」

そんなやり取りをしている姿は無邪気なものである。

「イアン、来たのね。何か用事？」

そこへパタパタと出てきたのはアンジェリカである。
あの一件から、雇い主を失い行き場のないアンジェリカはこの教会で住み込みで働くこととなった。
最初こそ子供達に振り回されていたが、数日もすれば随分と慣れてきたようだ。

「ちっす。今日は学校帰りにちょいと様子見に来ただけ」
「学校………」

イアンの言葉に、アンジェリカは何か不思議な言葉を聞いたような顔をした。

「ん、どした？なんか俺変なこと言った？」

イアンが首を傾げれば、アンジェリカは「そうじゃないの」とパタパタと顔の前で手を振った。

「そういえば、貴方とエレンは学校に通ってるのよねと思って」
「あぁ、そういうこと。ま、あんなことしてたらそうは見えないわな」

イアンはカラリと笑った。

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