EGOIST
イアンとエレンは15歳。
つまり、中等教育を受けている年齢である。
表向き、中等教育までは義務教育となっているこの国だが、実際問題そうでないものも少なくない。
が、この2人はちゃんと学校に通い、授業を受けている。
時期的にそろそろ中等教育修了試験にむけて勉強をし始めているころだろうか。
普段の彼らからは全くそんな雰囲気がうかがえない。
そのため、彼らから「学校」やそれに関するワードが出てくることが不思議に思えるのだ。

「貴方達がまだ義務教育中なのも驚いたけど、まさかダンテが大学生だとは思わなかったわ………」
「あぁ、あいつはね。見た目遊び人っぽいし、実際遊び人だけど。あれで真面目だからなぁ」

その事実を知った時の事を思い出したのか、アンジェリカは何とも言えない顔をし、イアンはカラカラと笑う。
そのダンテは彼らの6歳上の21歳で、現在大学生の最終学年である。
レポートにバイトに忙しいようであの一件からまったく姿を見ていない。

ちなみにアンジェリカはダンテの1つ下の20歳である。

「こんにちは」

そこに、1人の男が現れた。

「ここにアンジェリカ・キャメロンという女性はいるかな？」
「アンジェリカは私ですが」

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