EGOIST
また、地下には地下街がいくつか存在し、そこでは地上とは違う街が広がっているが、こちらは地上の路地裏以上に攻略困難で、面白半分で地下街に降りた人間が遭難するというのはよくある話である。

長らく鎖国状態が続いていたためその認知度はかなり低いが、開国後は積極的に周辺の国をはじめ、様々な国と国交を持つようになったためにその認知度は徐々に上がりつつある。
開国前はマフィアをはじめとした犯罪組織が幅を利かせ、大小様々な争いが尽きなかったが、その頃から比べれば随分と落ち着いてきている。
風変わりな外装と長らく続いた鎖国の中で築き上げられた独自の文化が、観光客を呼び寄せるために一役も二役も買っており、現在では国を支える大切な収入源でもある。

しかし、問題が全くないわけではない。

ピーク時に比べれば確かに落ち着いてはいるが、旧工業特区や地下街を中心にマフィアをはじめとした犯罪組織がいまだに幅を利かせ、抗争も昔に比べれば規模は小さいものの、どこかしらで発生している。
それでも、その存在はほとんど表に出てこないのは、警察や政府の力ではなく、彼らが「御三家」と呼ばれる3つの勢力を中心に一般的に知られている法律とは全く異なる法則の下に行動しているからだ。
そこへ政府や警察が何度となく手を加えようと試みているが、それが成功したことは一度としてない。
理由は様々だが、犯罪勢力があまりに巨大で危険であることと、上流階級が一枚も二枚も噛んでいるというのが大きいだろう。

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