EGOIST
1
イアンは3台のディスプレイの前に座り、軽快な音をさせながらキーボードを叩く。
1DKのこの部屋の中で、彼が学校以外のほとんどを過ごす部屋だ。
イアンにはエレンほどの強靭な精神は備わっていないし、口も達者なほうではない。
かといって腕が立つわけでもなく、寧ろ殴り合いの喧嘩になった場合、エレンにすら勝てない。
それは天性の才というより、肉体的問題が大きいのだが―――。
そんな彼があの2人に勝るのはハッキングの才能である。
今ではウィザードなどと呼ばれるハッカーの仲間入りをする腕前を持つまでになっている。
その能力を使い、これまで何度となくエレンの仕事をサポートしてきた。
しかし、今回の依頼主はエレンではない。
だが、エレンが全く関係ないかと言えばそうでもなく、寧ろ渦中の人である。
と、インターフォンが来訪者を知らせた。
イアンは作業を中断してまっすぐ玄関へ。
ここへ来る人間など限られている。
最も頻繁に出入りするのはエレンだが、エレンの場合は合鍵を持っているし、そもそも今は学校の友人と一緒にパンケーキを食べに行っているので来るわけがない。
鍵を開ければダンテが立っていた。
1DKのこの部屋の中で、彼が学校以外のほとんどを過ごす部屋だ。
イアンにはエレンほどの強靭な精神は備わっていないし、口も達者なほうではない。
かといって腕が立つわけでもなく、寧ろ殴り合いの喧嘩になった場合、エレンにすら勝てない。
それは天性の才というより、肉体的問題が大きいのだが―――。
そんな彼があの2人に勝るのはハッキングの才能である。
今ではウィザードなどと呼ばれるハッカーの仲間入りをする腕前を持つまでになっている。
その能力を使い、これまで何度となくエレンの仕事をサポートしてきた。
しかし、今回の依頼主はエレンではない。
だが、エレンが全く関係ないかと言えばそうでもなく、寧ろ渦中の人である。
と、インターフォンが来訪者を知らせた。
イアンは作業を中断してまっすぐ玄関へ。
ここへ来る人間など限られている。
最も頻繁に出入りするのはエレンだが、エレンの場合は合鍵を持っているし、そもそも今は学校の友人と一緒にパンケーキを食べに行っているので来るわけがない。
鍵を開ければダンテが立っていた。