EGOIST
「お疲れさん。ま、上がってくれや」

そう言い、ダンテを中に通した。

そしてリビングで適当に座るように言い、自分はいったん部屋に引っ込んで、少しして戻ってきた。

「今必要なデータは送ったぜ」

そう言い、今しがた送ったメールを確認するよう、ダンテに促す。

ダンテは促されるままメールを開いた。
メールには添付ファイルが1つ。
だが、それはこのままでは開かないようにロックをかけ、さらに中のデータも暗号化されている。
ダンテもそれは承知済みなので、慣れた手つきでロックを解除、さらに暗合されたデータを複合し、中身を確認する。

「ま、情報はそこに書かれた通りだ。やっこさんは出版社勤めのアデラ・ハンフリーとその後輩でカメラマンのメイナード・ヤング。情報屋から5年前の情報を入手。それからエレンに張り付きだしたみたいだな」

イアンの説明を聞きながら、ダンテはデータを読み進める。

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