EGOIST
「バレてたか」
「バレてますよ。というか、貴方もイアンもお爺様も、分かっててやってるでしょう」

エレンは溜息を1つついた。

「………すみません。貴方の手を煩わせてしまって」

エレンにしては珍しく、その声音に力はない。

「気づいた時点で、私が対応すべきことだった」

すみません、ともう一度エレンは口にした。

ダンテは別にエレンを責めるつもりはなく、それはイアンもヒューも同様である。
ヒューはそれを放置しておけなくて動き、イアンとダンテがそれに乗っかった。
ただそれだけ。

だが、エレンは自分が放置していたがゆえに3人が動いたことに、自己嫌悪しているのだ。
なぜもっとうまく立ち回れなかったのかと。

「エレン」

ダンテが自分の隣に来るよう、ソファーを叩く。
エレンは素直にそれに従う。
するとエレンはダンテの胸にぽす、と額を押し付けた。
ダンテはエレンの頭を撫でてやる。

「お疲れだな。久しぶりに付け回されて気を張ったか?」
「………そうかもしれません」

ふと息を吐き出すエレンに、そうかそうか、とダンテはカラリと笑う。

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