EGOIST
普段は友人に近い他人のような関係であるのに、ふとした時に友人以上の関係ともとれる行動をする。
それを見たイアンが「中途半端な関係だ」と言ったのはいったいいつの事だったか。
だが、お互いがその距離感が落ち着くのだと、今の関係を良しとしている。
少なからず、この関係はエレンが「当主代行」であるうちは続くに違いない。

「お前はまだ当主じゃないんだ。頼れるときに周りに頼っといて損はないと思うぜ?」
「そう、かもしれませんね」

やや歯切れの悪い返答をした。

「     」
「なんか言ったか?」
「いえ、何も」

そう言い、エレンはそっと目を閉じた。




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