「 好 き だ よ 」
ランダムに散りばめられたお題の書かれた紙に、みんなフルスピードで手を伸ばす。
圧に負けそうになりながら、私も近くに落ちてた紙をひょいと拾い上げて、書かれたお題に目を通すと。
【 漢 】
ドン!とでっかく大きな一文字。 筆圧濃いめで。
……えーと。
男(おとこ)じゃなくて、漢(おとこ)……?
いったん思考停止したままキョロキョロ辺りを見渡すと、他の走者は早くもお題に書かれた相手を見つけていて、仲良さげに手を繋ぎ、笑顔でトラックの周りを駆けている。
そんなとき、出番を成し遂げた走者の待機場所から、
「オイ白石ー!足止めんなあーー!走りやがれー!白石ぃー!」
なんて、暑苦しい声が聞こえてきた。
〜〜〜っ、大声で名前呼ぶなっての…!
田端を心の中で責め立てながら、とりあえずがむしゃらに視線を360度動かしてみる。