「 好 き だ よ 」
《続きましてー、3年生による──》
借り物競争も無事に終わり、自分の席へと戻るやいなや、あっこが腹を抱えて大笑いしていた。
「ひー。あーおもしろい。毎年カップル爆誕してる伝統種目で田端借りるなんてもったいなさすぎるだろ」
「ねえー笑いすぎ。 こっちだって不完全燃焼」
「お題なんだったの?」
とくに回収されなかった先程のメモを見せると、さらに息もできないくらい笑い出すから、あっこの右肩あたりにパンチを一発おみまいしてやった。
「いてて。 てか田端に好きな人いんのもウケる」
「あはは。 だよね」
「私白石だと思ってたんだけど。 違ったんだね」
「えーなんで私だと思うの」
「なんかあいつ白石にだけめっちゃちょっかいかけてこない?」
それは、私がいつもあっこと一緒にいるからね。
恋愛のスペシャリストは、自分のことになるとどうも鈍感になるらしい。