××したいくらい、好き。

「……ん?」

先生が、席順表を見て実際の教室の席を見て…と、何度かそれをくりかえしている。

表と席順が合っていないことに早速気づいたようだ。


みんなの視線が痛い。

面白がってくすくす笑う人もいれば、かいとくんが勝手にやりましたーというような視線を浴びせてくる人もいる。

もちろんそれらはすべてかいとくんに向けられた視線だ。
けど、その視線範囲内に余裕で入ってしまっていることは確かである。

「暁 海音はどこだ?」

「はーい」

そんな先生に対し、悪気も何も感じていないような軽い返事が教室に響く。

「お前、席間違えてるぞ?」

先生は半笑いで現在ショウマ君が座っている、元々はかいとくんの席だった場所を指さす。
しかし等の海音君は。

「間違ってないよ」

「は?」

にへら~っとした笑みを私に向けてくるかいとくん。

まずい。



嫌な予感しかしない。



< 16 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop