××したいくらい、好き。

馬鹿にした笑顔じゃない。

普通の笑顔。


あれ。

あれれ。


「きず!?」


なんで視界がこんなに揺れてるの?


「泣き虫~、なにこんなことで泣いてるのよ」


ぶわ~っと溢れた涙は噴水のように勢いよく流れ続けた。

わたし、わたし。

初めてなっちゃん以外の人と、しかも男の人と挨拶できたよ~……!!!

自分の挨拶をちゃんと受け止めてくれる人がいるなんて思わなかった。
私なんかに「よろしく」と言ってくれる人がいるなんて思わなかった。


嬉しい。

恥ずかしい。

でも、やっぱり嬉しい。


「……改めてよろしくね、絆奈ちゃん」

「………はい…」


有名人で、人気者で、ちょっぴり変なかいとくん。

あなたのおかげなんて言いたくないしきっとこの先関わりたくないって今でも思ってます。


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