××したいくらい、好き。

***

放課後。

私はなっちゃんと一緒に体育館に向かった。


体育館の二階にギャラリーがあって、そこでこっそりバスケ部の練習を覗くことにした。


「きず、知ってる?」

「何を?」

「バスケ部、イケメン揃いらしいんだよ!! 1回見てみたかったんだよね、イケメンがバスケしてるとこ!!」

「へ、へえ……」


そういえば、志之君も隼君も、二人とも顔は整っていたような気が…。
……だめだ、もう顔忘れちゃった。

ギャラリーには、私たち以外にも大勢の女の子たち。

嬉しそうにコートを見つめている。

イケメン揃いというのはあながち間違いでもないらしい。


「やっと来たか、このバカイト」

「お目当ては“あの”絆奈ちゃんか~?」


体育館に響いた声。

うう……ここでも“あの”とか言われてる…。
もう帰りたい…。


「…ねえ、きず……」


恥ずかしさのあまり柵にかけていた両手に顔を埋めていた私に、コートを見つめたままのなっちゃんがごくりと唾を飲み込んだ。

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