××したいくらい、好き。
「かいとくん……かっこよくない…?」
「え…」
私はコートに視線を戻した。
「ランニング始めるぞー」
…ていうか……部員数多いな…。
散らばっていた部員たちは、主将らしい人のかけ声で素早く二列の長蛇をつくる。
青、赤、黒…それぞれ自由な色のTシャツを着ていて、目がチカチカしてくる…。
…そういえば、バスケ部強かったんだっけ…?
なんの部活にも入ってなくてわからないや。
かいとくん、かいとくん……。
ひ、ひとが多すぎてわからない…!!
「…なっちゃん、私…見つけられないよ…」
「ほら、あそこ!! 外側の1、2…5列目!! 白いTシャツだよ!!」
「白…?」
―――いた。
一人だけ唯一白いTシャツの男の子。
黒い髪の毛がぴょぴょこ跳ねて、だるそうにランニングをしている、かいとくん。
「…うわあ、走ってる。」
めんどくさそうに、でも動いてる。
「きず、その感想結構失礼…」
気持ちはわからなくもないけどね。
なっちゃんは笑いながらそう付け足した。