××したいくらい、好き。
すると今度は二人一組になって練習始めた。
一人がボールを持って、一人がそれを奪う…1対1の練習のようだ。
「きず、見てみて!! かいとくんの相手、バスケ部で一番上手いって言われてる奥山 風雅君だよ!!」
「え?」
かいとくんとペアになったのは、焦げ茶色の髪、栗色の瞳で端正な顔立ちの人。
奥山君…というその人が、かいとくんに「やろう」と誘っているようだった。
いやあ、こうしてみると本当にかいとくんって人気者なんだなあ。
っていうか、そんな上手い人と組んで大丈夫なのかな?
かいとくんがボールを持った。
一度、バウンドさせた軽いパスを奥山君にすると、同じように奥山君もかいとくんにボールを戻した。
どうやらこれが、始まりの合図のようだ。
「……」
え。
…いま、かいとくんと目が合ったようなキガシタ…???
次の瞬間。
「わ!!」
ぐんっとスピードを上げて前に進むかいとくん。
あっという間にコートの半分を超えた。
しかし奥山君も想定内だったのか一定の距離を保ちつつプレッシャーをかけている。
かいとくんはというと、華麗なドリブルスキルで奥山君のボールを奪いに来る手をことごとくを避けきっている。
しかしそれでも突破することは難しそうだった。