××したいくらい、好き。


「きず~、どうするの?」


隣を見れば、なっちゃんはにたにたと笑っているし。

周りを見ればたくさんの女の子たちからのじと目が私を襲うし。


「……っ」


コートを見ればかいとくんがまだこっちに手を振っているし。

わ、私……。


「誰かたすけてええ……」

「ごめんきず、いじめすぎたね」


よしよし、となっちゃんが私の頭を優しくなでてくれる。

かいとくんは、相手をしていた奥山君に引きずられて次のメニューに移ろうとしていた。


変…。

やっぱり変だよかいとくん。


こんな、地味で何も面白いところなんてない私を、なんでそんなに気にかけてくれるんだろう。
かいとくんとはまるで正反対の私なのに。

ごちゃごちゃと考えていたら、先ほどのかいとくんの姿を思い出してしまった。

いつもの雰囲気とはまるで違って、ぴりりとした空気の中息もできないくらいの攻防をしたかいとくんの姿。
軽そうに飛んだときに垣間見えた引き締まった体…。

って…!!

「いあああ!!!」

なにを、なにを思い出してるのよ私~!!

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