心で叫ぶ、君のこと
「行ってきまっす!」
いや今日は絶対セーフだね、確信してる。
ただ念のため朝イチにも関わらずダッシュしながら最初の角を曲がると、ずんずん歩く見慣れた後ろ姿が。
「昴!」
よっしゃああ間に合ったっ。
あたしと昴、朝一緒に登校してるっていっても待ち合わせ〜とかじゃなくて、あたしが無駄に朝が強い昴に追いつけるかっていうのをしてるだけなんだよね。
「おお、今日は起きれたのか。」
昴が振り向いてあたしの顔を見る。
ん?あれ、なんか止まってる?
「どしたの?」
「ん、いや、なんも。」
我に返ったように前を向いてまた歩き出した。
「え、喜んでくれんの?珍しい、いいんだよもっと言ってくれて。」
「調子乗んな。ってかこれが当たり前なんだからな。」
「なによーーもっと祝福してくれてもいいんじゃない?」
「はいはいおめでとーございますー。」
「かわいくなっ。」
いやまあそんなことはいいんだよ!
「それよりさ、昨日の夜中電話したでしょ?帰ってから見たから気づかなかったんだけど。」
ぎくって感じに昴の体が微妙に動く。
ほらほら、怪しい、、!
「え、なに、通知行ってたの?」
「え?掛けてないの?」
「いやまあ、掛けたけど。」
「じゃあ通知来るに決まってんじゃん。」
「まあ、そうだな。うん、あれだ、いたずらだ。」
「はぁ!?いたずら?0時に?」
頭おかしいんじゃないの??
じーーー。
立ち止まって、昴の目を見つめる。
「なんだよ。」
「なんだよ。、じゃないよ。おかしすぎでしょ、気でも狂った?なんかあったの?」
「なんも。ただ思いついたから掛けてみた。寝る気もなかったし。」
「はーあ、まじありえない、それであたし起きたらどうするのよまったく。」
「じゃあ今度からモーニングコールしてやろうか。寝坊しなくて済むだろ。」
「余計なお世話っ。」
「はあん。じゃあ毎日自分の力で起きれんのか?」
「またその話?起きれますとも!」
「じゃあ朝は5時に起きてストレッチ、筋トレ、体幹トレーニングのメニューをこなすんだな。なんなら教えてやろうか。」
「なにそれ!?毎朝そんなことしてんの?」
「おう。おまえも腹筋バッキバキにしようぜ。」
「いやいやいや結構!あたし別にマッチョ目指してないから!」
昴は肩をすくめてどんどん歩いていってしまう。
あー待ってよ!
ってかうまく話逸らされた…!
もーうっ。