はやく気づけ、バカ。
私たちから先にエレベーターを出て、「早く行こう!」と桐谷くんの腕を少し引っ張った。
(ここで真島さんに話しかけられると今までの苦労が水の泡だ。)
「菜緒先輩、じつは俺とお昼食べるの少し楽しみですか?」
「え、あ、うんそうだけどそうじゃないよ!」
すると桐谷くんがちょっとニヤっとした”あの時”とおんなじ顔でいうから、
肯定するべきなのに、肯定することもできなかった。
(......、桐谷くんのその顔、ドキドキする。)
そう思いながら、私たちはその場を後にした。