はやく気づけ、バカ。
どうやらいつの間にやら考え込んでいたようで、
「先輩?」
「あの、菜緒先輩...?」
と呼ぶ、桐谷くんの声が全く耳に届かなかった。
やっとそれに気づいたのは、桐谷くんの大きな手が私の頬に触れた時だ。
「菜緒先輩?」
「っ!?」
桐谷くんの手の感触が、頬から神経機関を通して私の脳に伝わり、ビクッと反応してしまった。
「あっ...!ごめんね、えっと、なんのメニューがおすすめなんだっけ?」
慌ててそう言って桐谷くんの瞳を見ると、少しいろっぽい色をしていた。
(...!?)
それが私の顔に出ていたのか、桐谷くんもハッとしていつも通りに戻った。
「あ、えっとこれです。このたまごサンドにサラダが付いてるAセットです。」
桐谷くんが指さす、そのたまごサンドに挟まっている卵焼きがとても分厚く、写真からでも伝わるくらい美味しそうだ。
それに、セットでついてくるサラダもとても彩りが良くて食欲がそそられる。