はやく気づけ、バカ。
「長野さん長野さん。」
私がそう声を掛けると、長野さんはネックレスから私へと視線を移した。
「ん?どうしたの甘利ちゃん。」
「あの、どのくらいお付き合いなさってるんでしたっけ?ネックレス、プレゼントですよね?」
私がそう尋ねると先ほどとは打って変わって、少し顔を赤くして答えた。
「...そうなんだよね。今月の二十日で1年半。」
(えっ、長いなぁ...羨ましい。)
「えっ、すごいですね!」
素直に思ったことを伝えると少し照れくさそうにしながら「ありがとう。」といった。
その長野さんの表情に少しどきっとした。
(かっわいいところあるなぁ...桐谷くんといい、長野さんといい...)
結構なイケメン+(ぷらす)ギャップ萌えでも狙ってるの?とでも悪態付きたいくらい。
(忘れてたけど...長野さんって結構なイケメンだから、彼女さんともすごく釣り合ってるなぁ)
長野さんの顔を見つめてそう思っていると、「あ~~!」と長野さんがいきなり声を上げた。
(え、なに!?)
そう思うと同時に長野さんがぽつり、「はっずかし。」と手に持つネックレスが入った袋を見ながら言った。
「ふふっ。」
それを見て少し笑いがこぼれると今度は、と言わんばかりに長野さんが私に尋ねてきた。