【仮面の騎士王】
「本当に、美しくなったな。いつもファビアンとギースのあとをくっついて回る泣き虫の女の子だと思っていたが」


鼻先でくすりと笑われて、ケイトリンは思わず口を尖らせる。


「いつまでも、子どもではありませんわ。レイフ様こそ・・」


「私が?」


「いえ、その、とても素敵になられて。いえ、素敵なのは昔からでしたけど」


 レイフとは7歳の年の差があったため直接遊んだ記憶はない。しかし、ファビアンやギースに置いてきぼりにされて泣いていた時、声をかけられたことが何度かあった。無口な青年だったが、ケイトリンにとっては憧れの優しい兄といった印象だった。


 自分の言葉に、幼いころの淡い恋心を思い出して、ケイトリンは少しだけ恥ずかしくなった。


「あなたはあいつが好きなのか?」


「え?」


 思わずレイフを見上げると、予想より近い場所にレイフの瞳があった。ケイトリンの心臓がドクンと跳ねる。


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