MAYBE TOMORROW
わたしはオニイチャンの部屋の前まで進んでそこに立ち止まった。

声の主はわたしに気がついていないようだ、そのまま唄い続けている。その天から降ってくるような歌声がほんの少しだけ開かれたドアから漏れてくる。

わたしの知らない、聴いたことのない英語の歌だ。

そのひとは英語で唄っていたのだ。綺麗な発音だった。まるで、英語を母国語としているひとのように。

そしてそれはわたしにとって永遠のようにも思えた一瞬だった。

永遠に続いてほしい、そう思わせた瞬間だったのだ。
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