MAYBE TOMORROW
お兄ちゃんだった。紛れもなく。わたしが生涯を捧げることになるお兄ちゃんだった。

そしてもういちど思った。

「このひとが歌っていたんだ」と。

想像通りのひとだった。なにもかも。

「あの歌をあの声で歌っていた」というただそれだけの事柄からわたしが勝手に作り上げた想像上の人物そのままだったのだ。
< 29 / 412 >

この作品をシェア

pagetop