MAYBE TOMORROW
「スプーンもOK!」

もういちど階段を昇る、でもこんどは忍者スタイルではない。ドアはあいたまま。

「入ります」

高級料亭の仲居さんのように精いっぱい行儀よく裏返ってしまった声で話しかける。
お兄ちゃんは楽譜に何かを書き込んでる。わたしのほうをふり返る。目が合う。

するとお兄ちゃんはわたしの顔をまじまじと見ながら
「さっきの煙ね~ああ~なんかついてたでしょ?あれ消し忘れ。ていうか、誰も吸ってないのに火がついてた」
< 36 / 412 >

この作品をシェア

pagetop