名前のないStory

『四度目の春』優弥side

俺が此所に入学してから

四度目の春がきた。


此所で過ごす最後の春



俺、市川優弥(イチカワユウヤ)
今年22にして現役高校生。



「ふあぁ…ねみー」

「かえりてー…」



ゆうちゃん、帰ろうや
横で弟の佳紀(ヨシキ)がダルそうに呟いた。



「まーまー、かわいー新入生のお顔拝見としましょーや」

「ゆうちゃん、一番前座ろうで!!」

「おぅっ!!」



楽しそうにしてるのが田川純平(タガワジュンペイ)学年は俺の一個下で今年19のかなりのイケメン。
俺にとっちゃ可愛いヤツだな 笑



「んじゃ俺はゆうちゃんの右ー」

「おー、座れ座れ!」



右に佳紀、左に純平
俺はもち真中で向い合せに並べてあるイスの一番前に座った

後では他の後輩なんかが騒いでる


今日は入学したばかりの新入生との初対面の日で、俺達は対面式って呼んでる毎年ある行事の一つ



「可愛い子居ると思うー??」

「さすがに一人くらいはいるんじゃね??」



やっぱ男としては気になる所

…ま、俺にはそんなカンケーねぇけど



「静にー!!」



2年から4年が集る会議室の中に教師の声が響いた
そろそろ主役達がお目見えらしぃ



「一年生入ってきて!」



会議室の扉が開いて、新顔がゾロゾロ入ってくる



「全体的に女の子多いなー」

「つか、今年アタリ多くね??」

「思った!!」



新顔の過半数は女の子
"女"じゃなくて"女の子"
中卒のガキばっかじゃん…
まー…そこそこ顔が良さげなのがちらほら??


つか、真面目チャンばっかつーね
俺が入学した頃とはマジで大違い



「じゃあ、山本さんから自己紹介お願い」

「あー、はいはい」



一番前の俺らからみて右に座ってた男がマイクを手渡されて立ち上がる
コイツはさすがにどーみても俺よか年上だろ



「―よろしく」

「何歳ですかー!!」



山本さんの自己紹介が終った所で後の方から声がした
ラッキー!俺も気になった!!
誰かしんねーけどよく言った 笑

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