S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
……翌日。
「心配かけて、ごめんなさい!!」
昨日の一件について事情を話すと、私は火神さんに頭を下げた。
「無事でよかったよ。蒼ノ月に連れさられたって聞いた時は、本気でウチの護衛と蒼ノ月ん家まで乗り込もうと思ったよ」
火神さんにそこまで心配させてしまって申し訳なくなる。
「まぁ、あれだ火神。無事だったみたいだしよかったじゃねぇか」
戸澤くんが言いながら、まだ納得のいかなそうな火神さんの肩を叩いた。
「案ずることはないさ。ふたり揃ってそんな怖いを顔を向けなくても、僕と明里くんは晴れて食事仲間になったのだから」
「「 だからなんでお前がいるんだよ! 」」
……と、火神さんと戸澤くんの声が見事に重なった。
息ピッタリだ。
そして、なぜ蒼ノ月様はここにいるんだろ……。
「今日の明里くんのお弁当が気になって仕方ないあまり来てしまったよ」
まだ朝なのに、フライングしすぎでしょ。
「……今日は豆腐ステーキですけど」
実に興味深い、と言いながら目を輝かせる。
「お前、もう自分のクラス帰れよ!」
「そーだそーだ!次に明里を誘拐したら、ウチの人間総出で出撃してやるわよ!」
何はともあれ?蒼ノ月様のプレゼント攻撃は治まってよかったのかな?
しばらくは、蒼ノ月様が教室に遊びに来る日が続きそうだ……。
まさか私に歩み寄ってくれている人が悩んでいるとも知らずに、そんな呑気なことを思っていた。