S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


連れて来られたのはローランド先生専用の部屋だった。


青薔薇がたくさん飾られており、室内はいい香りが充満している。



「あなたから個人的に声をかけられるなんて思わなかったわよぉ。それで?火神さんのことって。話してちょうだい」


「はい……授業前のことです。火神組のお嬢様のせいで……って、クラスの人が言っていたことが気になりました……」



私は正直に伝える。



「そのことなら、ワタシも聞き捨てならなくってついつい怒りが沸点に到達してしまったわ。あのいい草じゃ、昨日被害に遭った生徒が、火神さんのせいで襲われたって言ってるようなもんじゃないのよねっ」



その時のローランド先生も、ものすごい剣幕だった。



「事件のことと火神さんが関係あるんでしょうか……?」


「……あなた、それは興味本位で聞いているわけじゃないわよね?」



ローランド先生は間髪入れずに鋭い目付きで私を見やる。

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