S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「おい。青薔薇の制服だぞ。今度こそ火神組のお嬢様で合ってんだろーな!?」
私の口を塞ぐ男がしゃがれた声を放つ。
ローランド先生に言われたことが頭の中に飛び出してくる。
──── “それに、あなたも青薔薇の制服を着ているのだから念の為、気をつけなさいよ? ”
犯人はまだ捕まっていない。
制服のまま買い物に来るべきじゃなかったのに、なんてうかつだったのだろう……。
「とっととこっちに連れてこい!もっと近くでそのガキのツラを見せろ」
男の力が加えられ、ズルズルと後ろ向きに引きずられていく。
全身が震える。
手から買い物袋が落ちて、卵が割れた音がする。
「あぁ?お前、火神組のお嬢じゃねぇなぁ」
「っ、」
車にどっしりと寄りかかっていた大柄な男が動いた。
目の下に深く刻まれた傷を隠すこともなく私の顔を覗き込む。
私と同じ世界の人じゃないことがすぐに理解出来た。