S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「まっ、マジっすか?俺が聞いた情報だと、お嬢は今日の真っ昼間にこの近くにいたって話だったんすけど……っ!」
「黙れこのボンクラが。貴様のせいでまた人違いってことだ。ったく、二度も失態を晒しやがって」
膝がバカみたいに震えている。
男達に囲まれた私は立っているのが精一杯で、抵抗さえ出来ない。
死ぬかもしれないとさえ思った。
「つぅわけでよ、俺達が探してんのはあんたじゃねぇんだ」
ぱっと塞がれていた口が解放された。
それでも声なんか出せるわけもなく、目の縁に涙が溜まっていく。
「だからって、お家へ帰りな───とは言ってやれねぇなぁ?」
「……か、帰」
帰してくださいと言いたくても、自分の声の扱い方を忘れたみたいに上手く声にならない。
「ガキを車に放り込め。お嬢様なら高値でシノギに使えんだろ」
男は恐ろしいことを口走る。
危ないことを考えているのだとすぐにわかる。
この男達は、そうやって酷いことを火神さんにしようとしていたの……?