S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「可愛いこの子に触っていい人間はふたりだけだって知らないの?」
滲む視界に飛び込んできたのは、凍えるほど冷たい瞳をした火神さんで。
「本人から会いに来てくれるとは嬉しいねぇ。生け捕りにする手間が省けた。写真より美人だなぁ、お嬢様?」
その瞳が私を押さえつけている男へと刺すように向けられたのが、街灯の細い光でハッキリと見えた。
「あんた、手洗ってんの?そんな汚れた手でいつまでその子に触ってんだよ」
冷淡な声で言いながら、火神さんは大柄の男が繰り出す拳を手のひらで受け止める。
「大口叩いてくれんじゃねぇか。お嬢様でもぶち殺すぞ……」
「あんたらさ、覚えておいてくれる?この子に触っていいのは、ウチの絶対的王子と───わたしだけだってこと」
ガツンッと!頬骨がぶつかるような鈍い音に咄嗟に私は目を閉じた。