S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「我が息子である椿と、大鳳財閥のご令嬢、撫子様の婚約を、この場をお借りしてご報告させて頂きます」
───突然の報告。
だけど、ハッと息を飲んだのは私だけで。
「ほらぁ!やっぱり噂じゃなくて、本当でしょう!?」
「ええ。お似合いのおふたりの婚約は、誠におめでたいことよね」
一瞬にしてホール内から湧き起こる歓声と拍手。
異様な程の祝福ムード一色に包まれた。
「さすが姫と王子だな」
そんな中、私と戸澤くんだけが動けずにいたと思う。
頭がグラグラする。
胸にずっしりと見えないなにかが落ちてきたみたい。
「なこ……」
今にも歓声に掻き消されてしまいそうな戸澤くんの声は、私にはしっかりと聞こえていた。
「それでは、本日の主役であるおふたりに、ご挨拶をしてもらいましょうーー!」