S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


「……っ、」



こちらの方向を見た瞬間、撫子様の声がピタリと止まった。



撫子様……?


誰かを探すような瞳。


その瞳が探しているのは、すぐに戸澤くんだってわかってしまった。



同時に、撫子様の様子を、ステージの脇からジッと鋭く見つめている男性の姿があることに気づいた。


ノブさんにも負けないくらいの、迫力ある顔面……。


こ、怖そう……。



「あれ、なこちゃんの親父。相変わらず強面だなぁ」


「えっ!?」



あの強面が、大鳳財閥のトップ……。


戸澤くんは私より先に気づいていたみたいだ。


そりゃ、そうだよね……。


過去に撫子様から手を引くように言われたんだから。


背後からの圧を感じたのか、撫子様が再び口を開く。

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