S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
暴言だ……。
お金持ちの社長さんのくせに、子供の気持ちがわからないのか、と私まで腹が立ってきた。
けど椿は、ふっと口角を上げて涼しげな瞳をしてみせる。
「ああやって言ってる奴らに、俺と撫子はもっとたてついていいと思わない?」
「なっ……!?たてを、つくだと!?」
顔を真っ赤にした圧倒的強面の撫子様のお父さんだったけれど。
娘の撫子様は、椿の意見にぶんぶんと頭を縦に振る。
おめでたいムードから一変して、はちゃめちゃな祭典へとなってしまったからホール内は大混乱だ。
撫子様は、自分の気持ちに素直になった?
え、つまり、それは。
ってことは……。
「……と、と、戸澤くん!今の聞こえた!?今、撫子様が!!好きな人って……!!」
当然、私も大混乱に陥って、戸澤くんの腕を掴んで引っ張って振り回した。