S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「ちょ、待ってください火神さん……!?」
「ダメだ。認めない」
本気だ………。
「あ、あの……本領発揮してるということはよくわかりましたが……っ、なぜ……火神さんが……」
「とりあえず、歯ァ食いしばんな!!」
へ?
歯を、食いしばる……!?
「……ごめんなさい!お願い!待って……ヒィッーー!!!!」
火神さんが手を振り上げる。
今度こそ、ひっぱたかれる………!!
私は咄嗟に目を強くつぶった。
───ギュッ!!
「!?」
振り下ろされた火神さんの手は、私の腕を捕掴んでいた。
「火神……さん?」
「あんたが逃げるなら、わたしはその逃げ道を塞いでやる!!」
「なっ……!?」
ダーッと駆け出した火神さんに引っぱられ、私は教室を飛び出した。